組み込みソフトって何ですか?(その4)

「若者には不人気かも」という前提で「組み込みソフト」について綴るシリーズ。

「企業内のポジションが微妙」

これは下世話な話になります。

「好きなこと」「向いてることをやること」の方が50代にもなってみれば幸せだよ、という大前提の元です。

ハード VS ソフト

「ハードウェア」と「ソフトウェア」のどちらが上?という観点。

アントニオ猪木とジャイアント馬場どちらが強い?みたいな話でもあります。

結局「どっちも必要」です。ただ、若い方はおそらく、このような「上下関係」でものごとを見たい、という感覚があるでしょう。

どうしても決めたいなら、「ハードウェア>ソフトウェア」と考えていいと思います。特に組み込み系では顕著です。

メカ設計が決まってから制御が決まる。「ハード仕様」→「ソフト仕様」です。ハードが制御仕様の大枠も作ります。

もちろん、ハード仕様はかなり大ざっぱですし、その通り作ったって製品レベルでは動きません。全体の動きの細かなところはをすり合わせ、整合性をとっていくのは組み込みソフトの役割です。最終製品で、一番動きを知ってるのは組み込みソフト屋っていうことは、珍しくありません。最近はソフトウェアの大規模化もありますから、この流れは顕著です。大体、制御の整合性を頭に組み立てることができる。

ただ、「製品コスト」や「部品点数」を直感的に理解している人たち、これはハード屋です。ソフト屋は業務の流れとして、ここを直感的に理解することは難しいですし、必要性が低いですね。

また、プラットフォーム戦略はソフト屋にもありますが、ハードで「変えざるを得ない」とか、ハード屋のプラットフォーム戦略の理屈にはなかなか適いません。ソフト屋の工数主体のプラットフォーム戦略よりも、部品点数、コストといったプラットフォーム戦略の方がスジがいいのですね。実にわかりやすい。ゲーム業界なんかのサードパーティが盛り上げる世界はまた違う論理が働くでしょうけども……

「習熟度」がメカの方が時間がかかる、という意見もあります。これはどうなんでしょうかね。確かに、研修レベルのソフトをこなすには数か月もあればものになる。しかし、製品レベルの組み込みを動かすには5年以上は必要だと思いますね。ただ、これも精度の必要性と、規模によるでしょうから「習熟度」でもそうなのかもしれません。つまり、希少性のある「人材調達」の観点ですね。

メーカートータルとして見たときには、上記のようなところから、ハードウェアが上位にくると思います。内部にいる人間は意外と気付かないことですが、「出世の速さ」で差がつく、というメーカーもあります。

そういうわけで、上下関係で語るなら、ハードウェアが上、という感じがしますね。若いころは気になりますよね。優秀な方ほど競争を勝ち抜いてきたわけだから。

気になるなら

出世にしても、営業の方がさらに上、という場合もありますし、「狭い世界」で上下関係いってもしょうがないかな、と思います。数年の出世の遅早は気になるけども。それをいうなら、「成長産業で規模拡大の組織にいるかどうか」という方が大きな要因ですし。また、会社の用意するポジションが自分の性分に合うか、というのもあります。

あまりに気になるなら、多くのメーカ―がシステムを切り出して系列SIerを作るから、そちらの世界に行く、という手もあります。子会社は嫌なんだ、という「ブランド志向」も分かりますが。

一人の業態ではない

結局のところですが、「目の前の仕事を一生懸命にやる」。「忖度なしにやる」。こういう特性の方が大事だと思いますね。「組み込みソフト」はメーカーの勤め人ですから、全体最適のパーツでもあります。「企業内のポジションが微妙」というのは、花形を外れたパーツはいうならばすべてそういう「宿命」なわけですよ。結局のところ、メーカーってのは、一人ですべてをやる業態ではないです。

年齢を経るにつれて開発からの異動もあるでしょうし、あまり気にしない方がいいんじゃないですかね。そのほうが幸せになれる気がしますね。

IT

Posted by T